保険証を返すだけじゃ損!役所で「5万円」もらうための健康保険・介護保険の相続手続き
遺品整理の最中に、お財布や引き出しから出てくるピンクやオレンジ色のカード。「健康保険証」や「介護保険証」を見つけて、「ああ、これも役所に返しに行かなきゃ……面倒だな」とため息をついていませんか?
実はその保険証、単なる「返却物」ではありません。見方を変えれば、数万円〜数十万円のお金を受け取るための「引換券」でもあるのです。
ただ窓口で返すだけではもったいない。今回は、保険証の返却とセットで行うべき「お金の手続き」について解説します。
パターン別・手続きガイド。親の保険はどっち?
まず最初に確認すべきは、亡くなった親御さんが加入していた保険の種類です。それによって「行く場所」がまったく異なります。
①「国民健康保険(自営業・年金受給者)」なら市区町村役場へ
親御さんが75歳以上(後期高齢者医療制度)の場合や、自営業・無職・年金受給者(74歳以下)だった場合は、お住まいの市区町村役場での手続きになります。
- 返却期限:死亡から14日以内
- 場所:国保年金課や高齢者医療課などの窓口
- 介護保険証:65歳以上の方は「介護保険証」もセットで返却し、資格喪失手続きを行います。
②「協会けんぽ・健康保険組合(会社員)」なら勤務先の総務部へ
親御さんが現役の会社員だった場合、あるいは会社員の家族の扶養に入っていた場合は、役所ではなく「勤務先」が窓口です。
- 返却期限:死亡から5日以内
- 場所:勤務先の総務部や人事部など
- 注意点:会社が資格喪失手続きや健康保険証の返却を代行してくれます。役所に持っていかないよう注意してください。
役所に行ったら絶対確認!もらい忘れを防ぐ2つの給付金
ここからが本題です。市区町村役場へ保険証を返しに行く際、ただ返却届を書いて終わらせてはいけません。以下の2つの給付金について必ず申請、または確認を行いましょう。
【葬祭費】喪主が申請すれば1〜7万円もらえる
国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入していた方が亡くなった場合、葬儀を行った人(喪主)に対して「葬祭費」が支給されます。
支給額は、自治体によりますが、一般的に3万円〜7万円程度です(東京23区などは7万円のケースが多いです)。
申請期限は2年ありますが、保険証の返却手続きと同じ窓口であることが多いため、返却と同時に申請してしまうのが最も効率的です。
会社員の場合、会社等の健康保険から「埋葬料(費)」として一律5万円が支給されますが、これは会社の健保組合等へ申請します。
【高額介護サービス費】入院や施設費用が戻ってくる可能性大
亡くなる直前に長期入院をしていたり、介護施設に入っていたりした場合、支払った医療費や介護費が上限額を超えている可能性があります。
- 高額療養費:1か月の医療費の自己負担限度額を超えた分が戻ってきます。
- 高額介護合算療養費:医療保険と介護保険の両方の自己負担が高額になった場合、合算して限度額を超えた分が戻ってきます。
これらの「払いすぎたお金(還付金)」は、相続財産として遺族が受け取ることができます。役所から案内が届くこともありますが、故人の住所宛に届いて気づかないケースも多いため、窓口で「未支給の還付金はありませんか?」と自分から尋ねることが重要です。
検索は「自治体名」がカギ。無駄足を防ぐリサーチ術
手続きで一番のストレスは「書類が足りなくて出直し」になること。特に給付金の申請には、保険証の返却だけでは使わない書類が必要です。
「〇〇市 死亡 国保」で検索して、必要書類(ハンコ・通帳)を事前チェック
役所に行く前に、必ずスマホで「(親の住んでいた自治体名) 死亡 国保 手続き」と検索し、持ち物リストを確認してください。一般的に、お金を受け取るためには以下のものが追加で必要になります。
- 葬儀費用の領収書・会葬礼状(喪主のフルネームが記載されているもの)
- 申請者(喪主・相続人)の預金通帳(振込先口座がわかるもの)
- 印鑑(認印でOKな場合が多いです)
特に「葬儀の領収書」は忘れがちなので要注意です。
まとめ:窓口で「お金が戻る手続きはありますか?」と一言聞こう
保険証の返却は、行政手続きの「終わり」ではなく、給付金を受け取るための「始まり」です。
窓口で保険証を出すときに、勇気を出してこう聞いてください。
「葬祭費の申請と、高額療養費の確認も一緒にお願いできますか?」
この一言があるだけで、数万円単位のお金を受け取り損ねるリスクを回避できます。悲しみの中で大変な時期かと思いますが、権利として受け取れるお金はしっかり受け取り、今後の生活や供養に役立ててください。

