現在、新規の法律相談を停止しております詳しくはこちら

公正証書遺言で相続から廃除されていたが、使途不明金や共有物分割を組み合わせることで、遺留分として現金と不動産を取得した事例

ご相談の内容

昔から仲が悪かった父が亡くなりましたが、公正証書遺言を残しており、他の親族に全ての遺産を相続させるだけでなく、私を相続人から廃除するとされていました。遺言書に記載されていることは事実と異なるので、遺留分を請求したいです。ただ、遺言書のせいで、相手と不動産を共有することになったので、現金よりも共有持分を引き取りたいです。また、預金の不自然な払戻しもあるので、調査してもらいたいです。

当事務所の対応と結果

STEP

まず、遺産の全体を把握するため、遺言執行者である相手に対し、遺産目録と関連資料の交付を求めました。

STEP

使途不明金については、追加で病院から医療記録を取得し、払戻し当時の認知症の程度を調査しました。しかし、双方の見解は異なり、平行線が続きました。

STEP

もっとも、共有状態を解消するという方向性は一致していたため、代理人同士で協議を重ね、全体をまとめて解決させる和解が成立しました。

解決のポイント

相続人からの廃除は何とかなると考えましたが、もめたら大論点になるため、相手の意向を探りながら慎重に進めました。相手も不動産の共有状態を解消したがっていることを察知し、遺留分代わりに不動産を取得する方向性を既成事実化していきました。使途不明金は、こだわりすぎないようにし、相手から妥協を引き出すための交渉材料として使いました。

相手のニーズを把握し、遺留分は不動産で解消するという方向性を既成事実化したことが解決のポイントになりました。