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弁護士だから分かる!相続を「争族」にせず、「円満」に解決する3つのコツ

「他の相続人から送られてきた遺産分割協議書は不公平で納得できないが、反対すればもめるのではないか・・・ 」
「親の通帳を管理していた相続人が通帳を見せようとしないので、何か隠しているのではないかと疑っているが、しつこく要求したらもめるのではないか・・・」

今、あなたもこのように悩んでいませんか?
円満な相続について同じような悩みを抱え、当事務所にご相談される方が多くおられますので、その気持ちはよく分かります。

そんな悩みを抱えるあなたに、この記事では以下の内容をご紹介します。

  • 肝心の人が亡くなっている相続においては、推測で事実を決めつけず、しっかり確認することが大事。
  • もめて「争族」になる前に、家庭裁判所の「公式ルール」を使って論点整理をすること。
  • 誤解や疑念が生じないよう、相続人同士のコミュニケーションをおそろかにしないように。

この記事を読み終わった頃には、冷静かつ合理的な遺産分割協議のコツが分かり、相続を円満に解決するためのヒントが得られることでしょう。

目次

円満な相続のコツ1:相続では、推測で事実を決めつけないことが大事

相続を円満に解決する1つ目のコツは、

相続では、推測で事実を決めつけないことが大事

です。

相続の大きな特徴は、肝心の人が亡くなっているため、正確な事実関係がよく分からないことです。
そして、よく分からないことは、推測で事実を決めつけてしまいがちです。

しかし、推測で事実を決めつけてしまうと、実際の事実と違っていた場合、相手の感情を害するのは当然です。
冷静な話ができなくなると、たとえ法律のルールであっても素直に受け入れられず、相続がいたずらに長引きます。

他の相続人の方が感情的になっていたり、しっかり説明しようとしないときももちろんあります。
そのような場合、「なぜ自分だけが大人にならなければならないんだ」と思うかもしれません。

しかし、相続がいたずらに長引けば、お互いに無用な金銭的・精神的な負担がかかります。
売却することは合意している不動産であるにもかかわらず、相続が長引くことにより、管理費や固定資産税を無駄に支払い続けることにもなりかねません。
つまり、もめる原因が何であれ、あなた自身が「実害」を被るという結果は同じです。

また、他の相続人も、冷静さを取り戻せば、詳しい事情を説明したり、裏付けとなる資料を出したりするかもしれません。
しかし、推測で決めつけて感情がぶつかり合えば、そのチャンスも逃してしまいます。

泥沼の争族になるか、もめないようにじっと我慢するかの二択になってしまうと、どちらにせよ誰かが納得できないことになり、本当に円満な相続は実現できません。

自分のためと言い聞かせて、まずは事実関係を確認するという姿勢が大事です。

円満な相続のコツ2:「争族」になる前に「公式ルール」で論点整理をする

相続を円満に解決する2つ目のコツは、

「争族」になる前に「公式ルール」で論点整理をする

です。

相続では、不動産の評価額、生前贈与(特別受益)、親に対する貢献(寄与分)など、様々な論点が関わってきます。
しかし、論点が多ければ多いほど、それぞれの言い分が重なり、話は複雑になります。
そのうち自分の言いたいことばかり言い合うだけになり、収拾がつかなくなってきます。

しかし、相続税申告の期限が近づいてくれば、他の相続人に早く早くと急かされ、もやもやした気持ちを残したまま遺産分割協議書にサインしてしまいます。
無事に協議が成立したという意味では円満相続ですが、それは「形だけの円満相続」にすぎず、火種としてずっとくすぶり続けます。
特定の相続人だけが一方的に我慢しなければならない相続は、本当に円満な相続とはいえません。

争族や「形だけの円満相続」にしないためには、遺産分割協議の早い段階で論点整理をし、順を追って話し合いをすることが必要です。

実際、家庭裁判所の遺産分割調停では、話し合いが混乱しないように、「段階的進行モデル」という方法が採用されています。

具体的には、

  1. 相続人の範囲(誰が相続人か)
  2. 遺産の範囲(どれが遺産分割の対象となる遺産か)
  3. 遺産の評価(遺産の評価額はいくらか)
  4. 各相続人の相続分(各相続人の相続分はいくらか)
  5. 遺産の分割方法(遺産をどのように分けるか)

の順番で、遺産分割の話し合いを進めていきます。
これにより、何でもかんでも同時に言い合い、逆に何も話が進まなくなるということを避けられます。
しかも、「段階的進行モデル」は、家庭裁判所が採用する「公式ルール」ですので、もめそうな相続人にも提案しやすい論点整理の方法です。

たとえば、生前贈与(特別受益)や親に対する貢献(寄与分)は、真っ先にもめがちな相続の論点です。
しかし、「段階的進行モデル」では、特別受益や寄与分は、④の「各相続人の相続分(各相続人の相続分はいくらか)」で取り上げる論点です。
①〜③を優先して確定させ、それまではなるべく特別受益や寄与分の主張を控えることになります。

各相続人の考えが同じ部分と違う部分を仕分けしないと、遺産分割協議は一向に進みませんので、「段階的進行モデル」は、冷静かつ合理的に話し合いを進めるために有効な手法といえます。

他の相続人が「段階的進行モデル」に沿って進めようとしないときは、それはそれで仕方ありません。
しかし、話し合いがまとまらず、家庭裁判所で調停をすることになれば、やることは同じです。
どうせ同じ流れになるのであれば、今やればいいですよね。

円満な相続のコツ3:相続人同士のコミュニケーションをおろそかにしない

相続を円満に解決する3つ目のコツは、

相続人同士のコミュニケーションをおろそかにしない

です。

突然ですが、以下の相談例をどのように思いますか?
相続の相談でよくあるケースです。

相談例

母が亡くなりましたが、相続の手続は同居の兄に全部任せていました。
専門家と相談しながらやっているとは聞いていましたが、何をしているのかはよく分かりませんでした。

数か月後、いきなり遺産分割協議書が届き、戸籍や印鑑証明書と一緒に送るよう案内がありました。
兄が多くの財産を相続する内容だったため、驚いた私は、兄に電話をし、なぜこんな分け方になっているのか問いただしました。

しかし、兄は、長男だからとか母の意向だとか言うだけで、私の言い分を聞こうとしません。
そのうち、兄は電話に出なくなり、手紙でのやり取りを繰り返しました。

手紙では、お互いに感情的な言葉が並び、話し合いは全く進みませんでした。
しばらくして、突然、裁判所から調停の申立書が届き、驚いて弁護士事務所に相談に行きました。

遺産の分け方を相談なしに決めてしまい、突然書類を送ってきた兄は、相談者に対する配慮が足りなかったといえます。
相談者も相続人の一人には変わりないわけですから、ないがしろにされてしまっては面白くないでしょう。

一方で、兄に相続の手続を任せっきりしてしまった相談者も、相続への関わり方が薄かったといえます。
もう少し早めに自分の考えを伝え、話し合いをしておけば、納得できない遺産分割協議書がいきなり届くことはなかったかもしれません。

相続が争族となる原因の一つに、相続人同士のコミュニケーション不足があります。
書類や手紙のやり取りを中心にすると、正しい意図が伝わらず、誤解や疑念が生じがちです。
おかしいなと思ったら、もめる前に、電話や対面で話し合いをすることが大切です。

特に、行政書士や司法書士に相続手続き(遺産整理)の代行を依頼する場合、相続人同士でのやり取りが希薄になり、流れ作業のように書類が届く可能性があります。

いきなり納得できない遺産分割協議書が届いたり、よく分からないままサインをして後でもめたりすることもありますので、相続手続きの代行を依頼している場合は、特に注意が必要です。

預金の解約や相続登記といった相続の手続きと遺産分割という相続の中身は別であること意識し、相続人同士のコミュニケーションをおろそかにしないようにしましょう。

相続の正しい理解が大事

相続を円満に解決する3つコツを知っておくだけでも、泥沼の「争族」になったり、もめないように誰かが一方的に我慢したりすることを避けられます。しかも、相続の基本や心構えに関することで、話自体はそこまで難しいものではありません。

それでも、もし円満な相続にできるか悩むことがあれば、遠慮なくご相談ください。
東京相続弁護士法人は、相続問題の解決に特化し、「最高の相続専門店」を目指している弁護士事務所です。
よりよい解決法が見つかるよう、お手伝いさせていただきます。

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