「相続手続きの断捨離」で解決!50項目のリストに絶望する前に試すべき仕分け術
ネットで「相続手続き 一覧」と検索し、ズラリと並んだ50項目以上のタスクリストを見て、そっとブラウザを閉じた経験はありませんか?
大切な人を亡くした直後に、膨大な事務作業の山に立ち向かうのは誰だって辛いものです。
しかし、そのリストの上から下まで、全てをやる必要は全くありません。
相続手続きにおいて最も重要なのは、情報を「足す」ことではなく、自分に関係のない手続きを「捨てる(断捨離する)」ことです。
この記事では、遺品整理を通じて必要な手続きだけを残し、不要なタスクをバッサリ切り捨てる「相続手続きの断捨離術」を伝授します。
ステップ1:まずは「遺言書」を探す —— 最大の「手間」を捨てるために
手続きの断捨離において、最初にして最大の分岐点が「遺言書の有無」です。これが見つかれば、最も大変な「遺産分割協議(遺産分けの話し合い)」という工程をショートカットできる可能性があります。
遺言書が見つかれば「話し合い」を断捨離できる
遺言書があれば、原則として、その内容が最優先されます。誰に何を渡すか決まっていれば、親族全員の実印を集める面倒な協議書作成の手間を大幅に減らせるのです。
- 探すべき場所:仏壇、タンスの奥、貸金庫など
- 注意点:自筆の遺言書を見つけても、絶対にその場で開封してはいけません。家庭裁判所で「検認(けんにん)」という手続きを受けないと、偽造を疑われたり、過料(5万円以下)を科されたりするリスクがあります。
ステップ2:書類の山を「3つ」に仕分ける —— 不要な「不安」を捨てる
次に、部屋中に散らばっている書類や郵便物を集めてください。そして、それらを機械的に以下の「3つの山」に分けていきます。この作業こそが、あなた専用のタスクリスト作りです。
山①:財産系(プラスの遺産)
ここにあるものが、解約や名義変更が必要なターゲットです。
- 預金通帳、キャッシュカード
- 不動産の権利証、固定資産税の納税通知書
- 証券会社の取引報告書、配当金の通知
- 生命保険証券
山②:支払系(マイナスの遺産)
ここにあるものは、解約手続きや支払いの判断が必要です。
- 電気・ガス・水道の請求書
- クレジットカードの明細書
- 借用書、ローンの返済予定表
山③:役所系(公的な手続き)
ここにあるものは、届出や給付金の請求に関わります。
- 年金手帳、年金振込通知書
- 健康保険証、介護保険証
「山にないもの」は捨てていい手続き
この3つの山に分類されなかった手続きは、あなたの人生には関係のないノイズです。
例えば、ゴルフ会員権の証書がなければ、ゴルフ場の退会手続きについて調べる時間は「断捨離」して構いません。「証拠があるものだけやる」と割り切ることで、不安は消え去ります。
ステップ3:通帳プロファイリング —— 「見えない資産」の探し漏れを防ぐ
書類が見当たらない場合でも、通帳は情報の宝庫です。入出金履歴という「足跡」を見れば、隠れた資産や契約を推理(プロファイリング)できます。
「配当金」の入金があれば、株がある
通帳に「ハイトウキン(配当金)」や証券会社名での入金記録があれば、故人はその会社の株や投資信託を持っていた証拠です。証券会社からの郵便物が見当たらなくても、入金元の証券会社へ問い合わせることで口座を特定できます。
「電気代」の引き落としがない? → 隠し口座の可能性
通常、生活していれば光熱費の引き落としがあるはずです。もしメインの通帳にその記録がなければ、「あなたがまだ見つけていない別の口座(隠し口座)」が存在し、そこから引き落とされている可能性があります。
また、クレジットカードの引き落としがある場合は、カード会社に連絡して明細を確認しましょう。サブスク契約やネット証券など、紙の書類がないデジタル遺産の手がかりになります。
※銀行に死亡を伝えると口座は凍結され、引き落としも止まります。この確認作業は早めに行いましょう。
ステップ4:検索は「固有名詞」で —— ネット情報の「ノイズ」を遮断する
やるべき手続きが特定できたら、いよいよネット検索です。ここでも情報の断捨離が重要です。「相続 手続き」のような漠然とした言葉で検索するのはやめましょう。
「三菱UFJ銀行 相続」と検索する
必ず「具体的な機関名 + 相続」で検索し、公式サイトの案内だけを見てください。
- 理由:金融機関によってルールが違うからです。例えば、ゆうちょ銀行は「相続確認表」を提出するなど独自の手順があります。一般的なまとめサイトの情報を見て準備しても、窓口で「これではありません」と言われてしまう無駄が発生します。公式サイトにある最新の一次情報だけを信じましょう。
まとめ:遺品整理とは「タスクの断捨離」である
50項目のリストを眺めて溜息をつく時間はもったいないです。
目の前にある遺品整理を進めながら、「書類が出てきたもの」だけをピックアップする。この「逆引き」こそが、最短ルートで相続手続きを終わらせる秘訣です。
まずは手元にある通帳を開き、過去1年分の履歴をチェックすることから始めてみてください。それが「相続手続きの断捨離」の第一歩です。

