自分の共有持分は本当は2分の1のはず。持分割合を裁判で確認してもらえますか?

回答

共有持分の割合に争いがある場合、裁判所に対して持分の確認を求める訴訟(確認訴訟)を提起することができます。自分の共有持分の確認を求める場合には、各共有者が単独で提訴できます(民法249条)。相手方は第三者でも他の共有者でも構いません。ただし、「共有者全員で所有権を有すること」の確認を求める場合には、共有者全員が原告になる必要があります(固有必要的共同訴訟)。

目次

結論

共有持分の割合について争いが生じている場合、裁判所に確認を求めることは可能です。

共有持分権(共有不動産における自分の権利の割合)は、共有不動産の全部に及ぶ性質を持っています(民法249条)。そのため、自分の持分に関する確認請求であれば、他の共有者の協力がなくても、共有者の1人が単独で訴訟を提起することができます。

根拠と条件

確認訴訟とは

共有不動産の権利関係について、共有者間または第三者との間で見解の相違が生じたとき、具体的な行為(明渡しや金銭の支払い等)を求めるのではなく、単に権利関係の確認だけを求めることで足りる場合があります。このように、権利関係の存否を裁判所に確認してもらう訴訟を「確認訴訟」といいます。

共有不動産に関する確認訴訟では、確認の対象となる権利の性質によって、誰が当事者(原告)になるべきかが異なります。この点が重要なポイントです。

確認請求の3つの類型

共有不動産に関する確認訴訟は、以下の3つの類型に分けられます。

(1)第三者に対する共有持分の確認請求

第三者(共有者以外の者)に対して、自分が共有持分を有することの確認を求める訴訟です。たとえば、A・Bが土地を共有しているところ、第三者Cが「この土地は自分のものだ」と主張しているような場合に、Aが単独でCに対して「Aが共有持分を有する」との確認を請求できます。

共有持分は共有不動産の全体に及ぶため(民法249条)、A・Bのそれぞれが単独でCに対して確認を請求できます。固有必要的共同訴訟ではなく、通常共同訴訟に分類されます。

なお、最高裁は、第三者に対する共有持分の確認請求について、各共有者が単独で提起できると判断しています(最高裁昭和40年5月20日判決)。

(2)共有者に対する共有持分の確認請求

確認請求の相手方が、第三者ではなく他の共有者であるケースもあります。たとえば、A・Bが共有している不動産について、Bが「Aの持分は4分の1にすぎない」と主張しているのに対し、Aが「自分の持分は2分の1だ」と確認を求める場合です。

この場合も、第三者に対する訴訟と同様に、各共有者が単独で提訴できます。

(3)第三者に対する共有権(所有権)の確認請求

これは、「共有者全員で所有権(全体)をもっていること」の確認を求めるものです。たとえば、A・Bが不動産を共有しているケースで、第三者Cが所有権を主張しているとき、「A・Bが所有権を有すること」の確認を請求する訴訟がこれにあたります。

この場合、AとBの両方に権利が帰属していることの確認を積極的に求めるため、共有者全員が原告になる必要があります。固有必要的共同訴訟に分類されます。

なお、最高裁は、第三者に対する共有権の確認請求は共有者全員が原告となる必要があると判断しています(最判昭和46年10月7日)。

確認請求の類型と当事者のまとめ

確認の対象相手方単独で提訴できるか共同訴訟の分類
自分の共有持分第三者できる通常共同訴訟
自分の共有持分他の共有者できる通常共同訴訟
共有権(所有権全体)第三者できない(全員が原告)固有必要的共同訴訟

具体的な場面での適用

相続後に持分割合が争われているケース

被相続人Pが亡くなり、相続人A・B・Cの3人が不動産を承継しました。Aは法定相続分に従い持分3分の1を有すると考えていますが、Bは「遺言により自分が2分の1を取得した」と主張し、Aの持分は6分の1にすぎないと争っています。

この場合、Aは、単独で、Bに対して、「Aが持分3分の1を有すること」の確認を求める訴訟を提起できます。確認の対象はAの共有持分であるため、固有必要的共同訴訟にはあたらず、争いのないCを原告や被告に加える必要はありません。

第三者が不動産全体の所有権を主張しているケース

A・Bが共有する土地について、第三者Cが「土地は自分が買い取ったものだ」と主張しています。Aとしては、自分の持分だけの確認を求めるのであれば単独で提訴できます。

しかし、「A・Bの共有であること」(所有権全体)の確認を求める場合は、A・Bの双方が原告にならなければなりません。Bが協力しない場合、Aとしてはまず自分の持分についてだけ確認を求めるという方法が考えられます。

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