判例解説– category –
-
判例解説
【判例解説】寄与分や不動産の評価に食い違いがある遺産分割協議を有効とした事例(東京高裁平成28年5月17日判決)
30秒で要点 結論:遺産分割協議に要素の錯誤はなく、有効。理由:寄与分の評価や不動産価格の見立ては協議で処分できる事項であり、合意の中核的要素(要素の錯誤)とはいえない事情が中心。注意点:評価の不一致だけで錯誤にはならない。疑義があれば、再... -
判例解説
【判例解説】遺産分割調停の無効→地方裁判所では判断できないとした事例(東京高裁平成29年5月31日判決)
30秒で要点 結論:遺産分割など別表第二にあたる家事調停の「無効」は、地方裁判所(地裁)では判断できません。家庭裁判所での手続が前提です。理由:家事調停は家庭裁判所の専門手続であり、家庭裁判所の専属的管轄(その裁判所だけが扱う権限)に属する... -
判例解説
【判例解説】無償返還届出書を提出している貸宅地を更地価格の6.5割で評価(東京地裁平成31年3月19日判決)
30秒で要点 結論:無償返還届出書を提出している貸宅地の評価を「更地価格の6.5割(底地権割合65%)」とする鑑定を採用。税務通達や流通性減価は遺留分算定の時価には直結しない。理由:借地権の性質(標準的借地+使用借権の混在)や市場データの制約を... -
判例解説
【判例解説】無償返還合意のある借地の底地を更地価格の5割・6割で評価(東京地裁平成25年12月25日判決)
30秒で要点 結論:無償返還合意(将来タダで返す約束)のある借地の底地は、更地価格の5割(物件I)・6割(物件F持分)で評価。価額弁償(お金で埋め合わせ)は口頭弁論終結時価で算定。理由:路線価の借地権割合(I=8割、F=7割)に加え、譲渡制限の強い無... -
判例解説
【判例解説】相続させる遺言でもらうはずの人が先に死亡したら効力なし(最高裁平成23年2月22日判決)
30秒で要点 結論:相続させる遺言でもらうはずの人が遺言者より先に死亡した場合、相続させる遺言は原則として効力を生じません(特段の事情がない限り)。理由:遺言者は通常、遺言時点の特定の推定相続人に取得させる意思にとどまり、代襲者(亡くなった... -
判例解説
【判例解説】養子縁組前の養子の子も代襲相続できる(大阪高裁平成元年8月10日判決)
30秒で要点 結論:養子縁組前に生まれた「養子の子」でも、養親の実子の子(実の孫)であれば、養親の相続で親(養子)を代襲できる。理由:文理解・家族実態・衡平(つり合い)の観点から代襲相続(親の代わりに相続)を肯定。注意点:養親の直系卑属(孫... -
判例解説
【判例解説】預金口座の死因贈与:銀行は払戻しを拒否できる(東京地裁令和3年8月17日判決)
30秒で要点 結論:原告(死因贈与の執行者)の預金払戻請求は棄却。銀行の拒絶は信義則(公平・誠実のルール)違反ではない。理由:死因贈与は契約による承継=実質「債権譲渡」に当たり、預金規定の譲渡禁止特約が効くため(遺贈とは違う)。相続人間で争... -
判例解説
【判例解説】名義預金:通帳・印鑑の保管者や使途の決定権で判断(令和3年9月17日国税不服審判所裁決)
30秒で要点 結論:名義預金(名義だけの預金)は、通帳・印鑑の保管者や使途の決定権(実際に使えるか)で帰属が決まる。未成年への贈与は親権者の受諾(受け入れの意思)で成立しうる。理由:「名義」よりも「実質(管理・受諾・処分の自由)」を重視注意... -
判例解説
【判例解説】相続目的の養子縁組は無効か(東京高裁令和元年7月9日決定)
30秒で要点 結論:相続(財産承継)の目的が中心でも、養親子としての関係を作る意思(法定血族関係を形成する意思)があれば、養子縁組は直ちに無効とはならず、死後離縁は許可され得る。理由:扶養義務逃れ等の道義に反する事情が見当たらず、利害関係人...
