判例解説– category –
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【判例解説】相続させる遺言でもらうはずの人が先に死亡したら効力なし(最高裁平成23年2月22日判決)
30秒で要点 結論:相続させる遺言でもらうはずの人が遺言者より先に死亡した場合、相続させる遺言は原則として効力を生じません(特段の事情がない限り)。理由:遺言者は通常、遺言時点の特定の推定相続人に取得させる意思にとどまり、代襲者(亡くなった... -
【判例解説】養子縁組前の養子の子も代襲相続できる(大阪高裁平成元年8月10日判決)
30秒で要点 結論:養子縁組前に生まれた「養子の子」でも、養親の実子の子(実の孫)であれば、養親の相続で親(養子)を代襲できる。理由:文理解・家族実態・衡平(つり合い)の観点から代襲相続(親の代わりに相続)を肯定。注意点:養親の直系卑属(孫... -
【判例解説】預金口座の死因贈与:銀行は払戻しを拒否できる(東京地裁令和3年8月17日判決)
30秒で要点 結論:原告(死因贈与の執行者)の預金払戻請求は棄却。銀行の拒絶は信義則(公平・誠実のルール)違反ではない。理由:死因贈与は契約による承継=実質「債権譲渡」に当たり、預金規定の譲渡禁止特約が効くため(遺贈とは違う)。相続人間で争... -
【判例解説】名義預金:通帳・印鑑の保管者や使途の決定権で判断(令和3年9月17日国税不服審判所裁決)
30秒で要点 結論:名義預金(名義だけの預金)は、通帳・印鑑の保管者や使途の決定権(実際に使えるか)で帰属が決まる。未成年への贈与は親権者の受諾(受け入れの意思)で成立しうる。理由:「名義」よりも「実質(管理・受諾・処分の自由)」を重視注意... -
【判例解説】相続目的の養子縁組は無効か(東京高決令和元年7月9日)
30秒で要点 結論:相続(財産承継)の目的が中心でも、養親子としての関係を作る意思(法定血族関係を形成する意思)があれば、養子縁組は直ちに無効とはならず、死後離縁は許可され得る。理由:扶養義務逃れ等の道義に反する事情が見当たらず、利害関係人... -
【判例解説】節税目的の養子縁組は無効か(最判平成29年1月31日)
30秒で要点 結論:節税だけを動機とする養子縁組でも、直ちに「縁組意思なし」(無効)とはならない。理由:節税の動機と、親子関係をつくる意思(縁組意思)は併存し得るため。注意点:税法上は養子のカウント制限(相続税法15条2項)や否認規定(同63条... -
【判例解説】内縁(事実婚)の一方が死亡した場合、財産分与は不可(最決平成12年3月10日)
30秒で要点 結論:内縁(事実婚)の一方が死亡して関係が終了した場合、民法768条(離婚の財産分与)の類推適用(本来の規定を似た場面に広げて使うこと)は認められない。扶養義務(生活費の助け合い義務)の相続も否定理由:離婚と死亡は法制度上の処理... -
【判例解説】遺族給付の配偶者該当性:事実上の離婚状態は除外(最判令和3年3月25日)
30秒で要点 結論:民法上は婚姻中でも、実体を失い固定化した「事実上の離婚状態」なら、遺族給付の「配偶者」に当たらない。理由:制度目的は「被用者の収入に依拠していた遺族の生活保障」。家族の実態に即して配偶者を解すべきだから。注意点:単なる別...
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