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【判例解説】遺産が不動産のみ、専業農家でない等の事情から現物分割が相当と判断した事例(大阪高裁昭和53年1月14日決定)
30秒要約 遺産が不動産中心で、代償金支払の実現性や相続人の生活実態、調停〜審判の経緯を総合し、現物分割のみを相当と判断しました。 「全部取得+代償金」という分割方法は、常に認められるわけではなく、資金の手当てや管理の見通しが弱いと採用され... -
【判例解説】現物分割が困難等の事情により換価分割を認めたが、任意売却は命じられないと判断した事例(広島高裁平成3年9月30日決定)
30秒要約 現物分割が価値を損ねたり、技術的に困難だったり、代償分割の資力が不足したりする場合、換価分割が相当。任意売却は相続人全員の同意が前提。同意しない相続人がいれば、裁判所は任意売却を命じられず、競売となる。 判例の基本情報 裁判所:広... -
【判例解説】不動産は現物分割とし、差額は預貯金で調整すべきと判断した事例(長崎家裁諫早出張所昭和62年9月1日審判)
30秒要約 複数の不動産がある相続では、各人に現物分割を行い、価値の差は現金・預貯金で調整するのが相当と判断した審判例。 判例の基本情報 裁判所:長崎家庭裁判所諫早出張所(審判) 審判日:昭和62年9月1日 事件番号:昭和61年(家)103号・233号 結... -
【判例解説】境界合意と通路の設定が可能なため、現物分割が相当と判断した事例(大阪高裁平成15年4月15日決定)
30秒要約 ・境界が相続人間で一致し、2m幅の通路設定で袋地(無道路地)を解消できるなら、現物分割が相当。・長期居住(約40年以上)・高齢(72歳)の生活利益は強く保護され、家族間の確執のみでは退去の正当化事由とならない。・都市計画・区画整理が未... -
【判例解説】「終身の配偶者居住権」を遺産分割審判で認めた事例(福岡家裁令和5年6月14日審判)
判例の基本情報 裁判所:福岡家庭裁判所 言い渡し日:令和5年6月14日 事件番号:令和5年(家)4017号 事件名:遺産分割申立事件 結論:申立て認容・確定 結論 配偶者居住権は、遺産分割審判でも、「配偶者の生活維持に特に必要」であれば、終身で付与され... -
【判例解説】遺産共有持分と他の共有持分が併存する場合に「共有物分割→遺産分割」の順で処理すべきと判断した事例(最高裁平成25年11月29日判決)
判例の基本情報 裁判所:最高裁判所 判決日:平成25年11月29日 事件番号:平成22年(受)第2355号 事件名:共有物分割等請求事件 結論:一部上告棄却・一部上告却下 結論 相続人以外の第三者が混在する共有不動産は、まず共有物分割で共有関係を解消し、そ... -
【判例解説】遺産分割協議書は通謀虚偽表示や錯誤により無効との主張を否定した事例(東京地裁平成28年10月19日判決)
30秒で要点 結論:百日法要後の親族会で作成・署名押印した遺産分割協議書は有効とされ、原告の無効確認等の請求は棄却。理由:本件の遺産分割協議書は、「遺産分割協議書」と明示し、日本の預貯金と土地持分等を配偶者が相続する内容。実印・印鑑証明持参... -
【判例解説】遺産の全貌を知らされずに署名した遺産分割協議を無効とした事例(東京地裁平成27年4月22日判決)
判例の基本情報 裁判所:東京地方裁判所 判決日:平成27年4月22日 事件番号:平成25年(ワ)8188号 事件名:不当利得返還等請求事件 結論:一部認容・一部棄却。二つの遺産分割協議は、いずれも要素の錯誤により無効。 結論 本判決(東京地裁平成27年4月22... -
【判例解説】遺産分割調停の無効→地方裁判所では判断できないとした事例(東京高裁平成29年5月31日判決)
30秒で要点 結論:遺産分割など別表第二にあたる家事調停の「無効」は、地方裁判所(地裁)では判断できません。家庭裁判所での手続が前提です。理由:家事調停は家庭裁判所の専門手続であり、家庭裁判所の専属的管轄(その裁判所だけが扱う権限)に属する...